さぁ「ファンタジー巡礼の旅」本番!
清水園芸で僕を待っていてくれたのはこの3人!
清水徹さんはもちろん、よし子栽培長(右)、そしてかず子副栽培長(真ん中)が最高の笑顔で!
もちろんもっともっとたくさんのスタッフの方が僕たちのファンタジー育てくて下さってるんですよ。
ありがたくて、うれしくって。
ねぇ。
清水園芸さんの農場は島の各地に点々としています。
なぜなら・・・
1度フリージアを育てた畑はもう2度と使えないそうです。
だから毎年違う場所を徹さんは探します。
あっちこちにこんな風景が広がっていました。
夢のような畑があちこちに。
すべて徹さんの会社の畑でした。
気になるダブル・ファンタジーは!?
事務所の目の前。一番目立つ所に置いてくださってる。
なんと!
3種類とも咲いているではないですか!!!
何か月も先に植えたすずめファンタジー(中央)もまだ大丈夫。
ハルキチ(左)は最高の時。
そして第3のファンタジー(右)も咲き始めていました。
それぞれの花をお見せする前に清水園芸のすべてのスタッフの感謝したいと思います。
みんなを代表して・・・ありがとう!
さて!
これが清水園芸でのすずめとハルキチファンタジー。
左がハルキチで右がすずめファンタジー。
何より・・・やはり一重でした・・・
茨城の本図さんいわく、早く咲かせたものは八重がひとえになってしまうこともあるんだ。
とおっしゃっていたよね。
でも、何の手も加えずに自由に咲かせてくださったここ種子島のファンタジーたち。
最高にのびのびと育ったファンタジーたち。
やはり一重でした。
左のハルキチファンタジーの花がすずめより明らかに大きいですね。
この2つも違う種類のようです。
そして!
これが本邦初公開!
「第3のファンタジー」です!!
「八重」だぁぁぁ!!
清水さん曰く・・・
「ジョンが見たファンタジーと同じものかどうかはボブさんに聞かなければわからないけれども、この花はとにかくすばらしい!」
「茎もしっかりしていて、花びらが固くって傷みにくい。何より花の形はかなりいいよ。」
たしかに美しい花でしたよ。
逆光でみると金粉を花とつぼみにちりばめたみたいだ。
そこに鳴った八丈島の山下さんからの電話。
まだ「第3」のファンタジーは咲いていないので切り花を持ってきてくれ!
ものすごい明るく、歯切れよく、夢いっぱいの大きな声で!!
明日はいよいよ八丈島です。
1年ぶりの八丈島。
山下さん!
このフリージア持っていきますからねぇ!!
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巡礼の旅二日目、種子島からのミッションレポートを伝えるのは俺、ジョンだ。
昨日の深夜、一日最後の任務であるブログ更新が終わった後、雨がいっそう本降りとなり、雷が鳴り始めた。暗闇を切るような稲妻と大きな地響きがこの島を襲った。
不思議なことに、恐ろしさや不気味さは感じられず、この旅に何かが起こりそうな予感、何かのメッセージが届いたような気がした。その意味に気付く瞬間を待つ楽しみを思い、俺は数時間の深い眠りに落ちた。
今朝は快晴だった。昨日の雨で空気が洗われ、美しい島の風景はより洗練されて感じる気持のよい朝だった。ホテルまで迎えに来てくれたフリージアに熱い男の車で、我々は清水園芸に到着した。
会社事務所の前に、ファンタジーの3つの大きな鉢は当たり前のように“存在”していた。訪れる人、社員が必ず見られるように、彼らに希望を与えるように、大切に扱われ、それは種子島の風に揺れていた。俺は、その中に身をうずめたくなった。ファンタジーの持つ柔らかな香りに包まれたら古い記憶が蘇ってくるのかもしれない。この花は以前に出会った花なのだろうか。
すずめ、ハルキチ、第3それぞれのファンタジーの解説は真吾リーダーに一任する。ここで俺が言えることは、3種がこの日に全て咲いている偶然という必然と、それぞれが豊かな魅力を放っていたことだ。心を揺り動かされ、見る人は自然と微笑んでいる。
次に島の男は、島の中に点在するフリージアが咲く畑に誘導してくれた。ファンタジーに似た八重の黄色い花、新種の白い花びら。多くの品種が海を見下ろしながら、種子島のゆるやかな凪ぎに優しくゆれていた。咲き始めも満開もそれぞれに自らの力を最大限に引き出し、太陽に向かって花開いていた。
球根を育てるため、フリージアが一輪咲くと花と蕾を、惜しげもなく手作業で刈り取る。作業している女性は、早乙女のように丹念にフリージアと向き合っていた。
「こんなに彩りがきれいで香りが良くて素敵な仕事はないよね。」
仕事をするすべての人間の姿は美しい。ミレーの絵を思い出させる風景がそこにはあった。
帰りがけには、彼女らが作業し切り取られた花の上を歩く。
自らの球根を強い商品にするため通路に捨てられ、役割を終えた花たちを呆然と眺めた。
ああ、この花は次の世代を夢見て、球根に何かを託したのだろうか。俺にはなぜか満足げに、花嫁のウェディングロードにも似た光景にみとれた。
こうして気持のよい種子島の旅は終わった。我々は次の目的地に、明日の朝また旅立つ。
雷はなさそうな静かな夜だ。どうやら今日と明日のためのつかのまの休息が、幸運にも与えられたことに感謝する。