【ファンタジー記念日特集】日本におけるファンタジーについて

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【ファンタジー記念日特集】日本におけるファンタジーについて

続いて、ミスターフリージア八丈島の山下忠宏さんより届いた
ファンタジーの記事を、この日の特集としてリリースいたします。

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フリージアファンタジー 輸入隔離栽培について

■八丈ナーセリーにおけるファンタジー輸入実績

1967年 昭和42年  2,024球
1977年 昭和52年   937球
1978年 昭和53年  4,242球
1979年 昭和54年  9,850球
1985年 昭和60年 20,000球

ファンタジーは、フリージア初の八重咲き品種として発表された巨大輪高性淡黄色と
発表される一時代を代表する銘品種である。

英国の園芸育種家のジョン・ゴーマン氏が作出、1960年に発表され、英国王立園芸
協会の最高賞(FCC?RHS)賞を1961年に受賞し世界園芸界に一大センセーション
を巻き起こしたと、今西英雄氏は朝日園芸大百科に記述している。

我が国には昭和42年山下忠宏が2,024球の隔離栽培を行い、翌年販売を開始した
優雅でふくよかなバラを思わせ大輪の花型、クリームのやさしい花色、ほのかな芳香
誰一人目にしたことのない八重咲フリージアは市場で絶賛を招き、人気品種として
注目を浴びた。

ゴーマン氏がファンタジーと同時に作出した八重咲3種ローマニーは42年に2,025球
ダイアナは44年に1,977球、コロナは46年に960球輸入した。

しかしながら、この品種はウィルスら病率が高く、路地での球根栽培では2?3年で
全滅状態になってしまった。他の品種では見られない秀れた特性にひかれて、
4次にわたって輸入、栽培を行い、品格あふれる花に人気は極めて高かったものの
営利栽培は難しく、昭和の終わりにはその姿はみられなくなったという。

フリージアはユリ・チューリップに続く生産量を持つ球根花きだが、ウィルスなど病害に
弱い。新品種が発表されても大半が数年で姿を消してしまう。

八丈ナーセリーでは、昭和26年の設立以来500種300万球の輸入隔離栽培を
行っているが、10年以上営利栽培が続く品種は、昭和32年に輸入しフリージア
革命と呼ばれたラインベルト、ゴールデンイエローなど20種程度に留まるのが
実情である。

柳生真吾氏を始め、ファンタジスタの皆さんが、20年前に失われたファンタジーを
世界中に求めた努力が報われる日を願ってならない。

追記となるが、皆さんの調査を通じてジョン・ゴーマン氏の作出した数多くの
フリージア品種が明らかになった。
これらの中に私ども60年のフリージア作りの中で極めて優良であり、経営を支えて
くれた品種群が多く、ゴーマン氏への謝意を込めて連記したい。

「ホワイトスワン」 1960年 昭和35年輸入
「ローズマリー」 1965年 昭和40 年輸入
「ファンタジー」 1967年 昭和42年輸入
「オーロラ」  1967年 昭和42年輸入
「ダイアナ」 1969年 昭和44年輸入
「バレリーナ」 1970年 昭和45年輸入
「ゴールデンメロディー」1971年 昭和46年輸入
「ブルーヘブン」 1983年 昭和58年輸入

また、平成4年に輸入し現在も紫色の主力品種である「ブルームーン」は、
ゴーマン氏の息子ボブ氏の作出であることにも驚かされた。

from 八丈ナーセリー 山下忠宏

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まさにウィルスとの戦いの日々だったことがうかがえます。

ありがとうございました。

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コメント(1)

山下忠宏様、ありがとうございます。
八丈ナーセリー60年間のフリージア栽培で輸入球根500種、300万球から営利栽培が続く品種は20種程度である事を知り改めて皆様のご苦労を思いました。
ジョン・ゴーマン氏の多くの品種とボブ氏の「ブルームーン」との繋がりに感動しています。
「ブルームーン」八ヶ岳倶楽部で拝見してまいりました。
有難うございました♪

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