続けて彼はこう言いました。
『じつは君から送られたファックスは今朝見たばかりで、質問に対する準備はまだ何もできていないんだ。』
『メールは届きませんでしたか?』と私。
『念のために確認してみたんだけど、どうもスパムメールとして処理されてしまっていたらしい。』
メールの返事が来なかった訳がわかりました。まあ、ファックスも出しておいたお陰で、わざわざこの夕方の時間を空けて我々を待ってくれていたのですから、結果オーライでした。
まずは私が勤める会社のことと自己紹介をしてから、Wulffinghoff社のことを伺いました。Wullffinghoff社は1936年に彼の祖父が起した会社で、当初からフリージアの育種と生産を行っていました。そして2005年には球根生産から手を引き、今ではフリージアとアルストロメリアの育種に専念しているとのことです。Goemans氏からファンタジーを含む品種権を買い取ったのは1976年のことだったそうです。
まずは単刀直入にみんなが気にしているであろう最初の質問をぶつけてみました。
『ダブルファンタジーはジョンレノンの遺作のタイトルなのですけど、これはあのファンタジーのことなんですよ。ご存知でしたか?』
『いや、全く知らなかったよ。そんな話は今まで1度も聞いたことがない。それより本当なの? その話。』
『本当ですって。日本にあるジョンレノンミュージアムがそう説明しているんですから。バミューダ植物園でダブル・ファンタジーを見た時に、彼はアルバムのタイトル名を閃いたのです。そしてその品種が八重のファンタジー。(私の拙い英語力では、ダブル・ファンタジーと八重のファンタジーの混同があって、謎になっていたことを上手に説明できませんでした・・・。) だから私たちは今こそファンタジーを探し出し、平和のシンボルとして使いたいと考えているのです。』
私はてっきり、既に噂で聞いていたり、ジョンレノンの熱烈なファンからの問い合わせがあったりしたんじゃないかと想像していたんですけど、本当に何も知らなかったとは意外でした。
<つづく>
真吾様・竹下様
状況説明から、いよいよ捜索の核心に入りますね・・・
へ?・・とか そうなんだ?・
つい声を出しています。
益々 つづき が気になります!!!これぞドキュメンタリーですね。ドキドキ・ワクワク!!