あらすじ vol.6

球根はすべてファンタジスタ栽培班に送られました。八丈島・八丈ナーセリーの山下忠宏さん、茨城・茨城県農業総合センター 園芸研究所の本図竹司さん、埼玉・高成園の高舘雅実さん、種子島・清水園芸の清水徹さんです。

 

11月上旬。ハルキチファンタジーもイタリアからイギリスの山田哲也さん、長野のハルキチさんを経由して八ヶ岳に届きました。

 

これもまた栽培班へ発送されました。

 

追って、ファンタジーの兄弟、コロナ、ロマニー、ダイアナもイタリアから山田さん経由で八ヶ岳に届きました。こちらは高成園の高舘さんに送られました。

12月7日(ジョンレノンも命日の近くであるとともに、ダブルファンタジーの話を柳生さんといとうさんが前年始めて世に公表した日でもあります)に、ファンタジスタ1周年記念イベント「ふたりのジョンと黄色い花〜ダブルファンタジー」が開催されました。場所はもちろんジョンレノンミュージアムです。

八丈島からは山下さんご夫妻、種子島からは清水徹さんも駆けつけてくれました。そのほか、この活動に携わる多くのファンタジスタが一堂に会しました。ブログやメールでは頻繁にやりとりしているのに、実際に会うのは初めてだったりして・・・しかしこのメンバーがこの1年、いろいろなところで自分自身のファンタジーを育てながらつながっていたんだな、とファンタジスタの絆が感じられた1日でした。

 

高舘さんはこの日のために、八重咲きの黄色いフリージアを会場に咲かせようとしていました。しかしイベントが決まってからの短い時間だったため調整がしきれずそれは叶いませんでした。かわりに当日の会場は一重のフリージアで埋め尽くしてくださいました。
後に咲いた八重咲きのフリージアは高舘さんのご厚意により、1月2日からジョンレノンミュージアムのエントランスでみんなの目を楽しませてくれました。

 

1月、2月と栽培班のもとファンタジーはどんどん育っていきました。

 

同時に、竹下さんが(正確には同僚の方が)、ウィルスに弱いファンタジーのために成長点培養というウィルスフリー化の手術をしてくれていました。輸入した球根はやはりウィルスにかかっていたのです。しかし、現代はウィルスを取り除く技術も進歩しているのです。

 

2月21日「いばらき花フェスタ」にて、すずめファンタジー、ハルキチファンタジーがついにお披露目されました。
しかし、残念ながらいずれの花も八重ではありませんでした。
展示されたプレートには「この花は一重ですが,フリージアは栽培環境によって一重にも八重にもなる場合もあるので,我々には本物かどうかを判定できません. 現在イギリスでBob Goemansさん(ファンタジーの育成者J. A. M. Goemans さんの息子さん)が鑑定中で,本物かどうかはイギリスで開花する4月上旬に判明します.」という本図先生のメッセージが添えられていました。

 

この時、他の球根はいずれの場所でもまだ花をつけていませんでした。


ファンタジスタ 濱野奈美子(フリーライター)